日本でもHIVやエイズという感染症の認知が広まり、知らない人はいない環境になっています。
いまだに完治するための治療法が見つかっておらず、最も恐ろしい病気の一つとしても知られています。
HIV・エイズの症状や感染経路については、下記のページで詳しくまとめていますのでご覧いただければと思います。
HIV・AIDS(エイズ)の症状/感染経路/検査/治療方法
そんな中、厚生労働省のホームページでHIV・AIDS感染者のデータを見ていたところ、興味深い資料があったので紹介したいと思います。
ゲイの間でHIV・エイズの感染者が増加中
そのデータというのが、HIV・AIDSの感染経路は男性同士での同性間の性的接触が最も多いということ。
まずは、国内でどのくらいの感染者数がいるのかを見てみましょう。
2014年末の日本国内HIV・AIDS感染者数 累計
日本人のHIV・AIDS感染者数
日本人 | |||
---|---|---|---|
男性 | 女性 | 計 | |
HIV | 13180 | 876 | 14056 |
AIDS | 6086 | 348 | 6434 |
外国人のHIV・AIDS感染者数
外国人 | |||
---|---|---|---|
男性 | 女性 | 計 | |
HIV | 1439 | 1408 | 2847 |
AIDS | 837 | 387 | 1224 |
日本人・外国人合計のHIV・AIDS感染者数
合計 | |||
---|---|---|---|
男性 | 女性 | 計 | |
HIV | 14619 | 2284 | 16903 |
AIDS | 6923 | 735 | 7658 |
1回の性行為でHIV・AIDSに感染する確率は、男性に比べ女性のほうが倍くらいの確率があるのですが、圧倒的に男性の感染者数が多くなっています。
- 1回のセックスでHIV・AIDSに感染する確率
- 男性・・・0.05%
- 女性・・・0.1%
それでは次は、HIV・AIDSの感染者がどのような感染経路で感染したのかを見てみましょう。
2014年末の日本国内HIV感染者の感染経路 累計
日本人HIV感染者の感染経路
日本人 | |||
---|---|---|---|
男性 | 女性 | 計 | |
異性間の性的接触 | 2657 | 713 | 3370 |
同性間の性的接触 | 9131 | 4 | 9135 | 静注薬物使用 | 39 | 2 | 41 | 母子感染 | 16 | 9 | 25 | その他 | 283 | 38 | 321 | 不明 | 1054 | 110 | 1164 |
外国人HIV感染者の感染経路
外国人 | |||
---|---|---|---|
男性 | 女性 | 計 | |
異性間の性的接触 | 401 | 830 | 1231 |
同性間の性的接触 | 552 | 1 | 553 | 静注薬物使用 | 27 | 3 | 30 | 母子感染 | 5 | 8 | 13 | その他 | 57 | 25 | 82 | 不明 | 397 | 541 | 938 |
HIV感染者の感染経路
合計 | |||
---|---|---|---|
男性 | 女性 | 計 | |
異性間の性的接触 | 3058 | 1543 | 4601 |
同性間の性的接触 | 9683 | 5 | 9688 | 静注薬物使用 | 66 | 5 | 71 | 母子感染 | 21 | 17 | 38 | その他 | 340 | 63 | 403 | 不明 | 1451 | 651 | 2102 |
2014年末の日本国内AIDS感染者の感染経路 累計
日本人AIDS感染者の感染経路
日本人 | |||
---|---|---|---|
男性 | 女性 | 計 | |
異性間の性的接触 | 2001 | 230 | 2231 |
同性間の性的接触 | 2815 | 3 | 2818 | 静注薬物使用 | 26 | 3 | 29 | 母子感染 | 9 | 3 | 12 | その他 | 166 | 24 | 190 | 不明 | 1069 | 85 | 1154 |
外国人AIDS感染者の感染経路
外国人 | |||
---|---|---|---|
男性 | 女性 | 計 | |
異性間の性的接触 | 289 | 214 | 503 |
同性間の性的接触 | 145 | 2 | 147 | 静注薬物使用 | 26 | 2 | 28 | 母子感染 | 1 | 5 | 6 | その他 | 27 | 15 | 42 | 不明 | 349 | 149 | 498 |
AIDS感染者の感染経路
合計 | |||
---|---|---|---|
男性 | 女性 | 計 | |
異性間の性的接触 | 2290 | 444 | 2734 |
同性間の性的接触 | 2960 | 5 | 2965 | 静注薬物使用 | 52 | 5 | 57 | 母子感染 | 10 | 8 | 18 | その他 | 193 | 39 | 232 | 不明 | 1418 | 234 | 1652 |
HIV・AIDS共に、同性間での性的接触が一番多い感染経路となっています。
男女で比較してみると、HIVでは男性が9,131人なのに対し、女性は4人しかいません。
男性の同性愛者(ゲイ・バイセクシャル)が、圧倒的に多いことを物語っています。
女性同士の性行為は、粘膜と粘膜が必ず接触するわけではないため、感染者数が圧倒的に少ないものと考えられます。
ゲイがHIV・エイズ・梅毒に感染しやすい理由
アナルセックスのHIV・AIDS感染確率は通常のセックスの5倍
男性同士が性行為を行う場合はほとんどがアナルセックスになると思いますが、アナルセックスは通常の膣内性交に比べ、受け手側のHIV感染率は5倍以上となります。
- 受け身の場合の性行為でのHIV感染率
- 膣内性交・・・0.1%
- アナルセックス・・・0.5%
これは、膣内性交の場合は粘膜の接触による感染が主となることに対し、アナルセックスは肛門が擦り切れたりするため、双方に傷がついたりすると粘膜だけでなく血液による感染のリスクも増えるためだと考えられます。
男性同士の場合は、すぐに性行為に発展しやすい
異性間の場合は、性行為に発展するまでに時間がかかったりするのに対し、男性同士の場合は出会ってすぐに性行為に発展することも多いらしく、よく知らない人と関係を持ってしまうことも多いとのこと。
また、不特定多数のパートナーがいる場合も非常に多いそうです。
よく知らない相手というのは非常にリスクが高く、またこういった文化が感染が広がってしまう要因の一つとも考えられています。
ゲイがHIV・エイズ・梅毒の感染を防ぐための対策・予防方法
性行為の際は、必ずコンドームを着用する
ゲイ同士のセックスはただでさえ感染率が高いため、よりコンドームの着用が感染予防の重要な要素となってきます。
コンドームを着用していれば、仮に肛門まわりが擦り切れたりしたとしても、粘膜や血液の接触を防ぐことができます。
特に見知らぬ相手とならばなおさらです。
100%ではありませんが、確実に感染リスクを下げることができます。
見知らぬ人との軽率な性行為を避ける
見知らぬ相手というは、HIVだけでなくともB型肝炎や梅毒など、どんな病気を持っているかわかりません。
信頼できる特定の相手としか性行為を行わないということを、自分にきちんと言い聞かせることも大事です。
ゲイの間では梅毒の感染も広がっている
梅毒はHIVとの同時感染も多い感染症としても知られています。
今では完治することができますが、梅毒の疑いがある場合はHIVの検査も同時に受けるのが望ましいと言われています。
ここ3年で梅毒感染者が2倍に。80%が男性というデータも
感染症の中でも特に恐ろしい部類に入る梅毒ですが、ここ3年の間に感染者が2倍になっていることが病院からの報告でわかっています。
また、梅毒の感染者の80%が男性とのこと。
とくに同性愛者の男性に多く見られているそうです。
ゲイの梅毒感染が多い理由
HIV同様に、梅毒もアナルセックスでの感染確率が非常に高いと言われています。
HIVに部分で説明したことがそのまま当てはまるため、コンドームの着用や不特定多数とのセックスを避けるなどの、きちんとした予防対策が自分を守ることにつながっていきます。
ゲイの性病検査
自分がゲイであり、不特性多数の相手とセックスをしている場合は、自分のためにも一度性病検査をすることをオススメします。
下記でご紹介している性病検査キットなら、今回取り上げているHIV、B型肝炎、C型肝炎などを自宅に居ながらまとめて検査できますよ。
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