性感染症の感染経路は様々ですが、若者たちが感染するルートの一つとして刺青(タトゥー)が挙げられます。
昔はヤクザなどの一部の人達しか入れなかった刺青ですが、今では様々なスポーツ選手やアーティストが入れていることから、ファッションの一環としてタトゥーを入れる若者が増えています。
なぜ刺青で性感染症になってしまうのでしょうか?
また、どのような感染症にかかるリスクがあるのでしょうか?
刺青(タトゥー)で性感染症になる理由
性感染症の感染経路の大半は性行為によるものですが、ウイルス性の病気の中には血液感染による感染力が非常に強いものがあり、刺青・タトゥーの針などでも感染してしまいます。
こういった理由から針の滅菌・消毒などの衛生管理は常識となっていますが、怪しいスタジオや素人などでは使い回しでおこなっているところもあるようです。
また、こういった使い回し以外にも、彫ってくれる人が何らかの病気に感染していて、誤って自分の指を刺した後に掘り始めたりすることで感染する場合もあります。
刺青(タトゥー)で感染する性感染症
HIV・AIDS(エイズ)
世界中で感染者が増大しているHIV・AIDS(エイズ)。
多数ある感染症の中でも、不治の病として知られている性感染症です。
エイズとはHIVウイルスを原因菌として発症する病気
Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)を原因ウイルスとする病気で、感染した状態をHIVと呼び、そこから発症した病気がエイズ(後天性免疫不全症候群)と呼ばれています。
世界で5,000万人以上がHIVウイルスに感染
南アフリカを中心に世界中に広がっており、総感染者数は5,000万人以上にものぼると言われています。
感染経路の大半が性行為と血液感染によるものですが、刺青での感染も確認されています。
B型肝炎
HBVと呼ばれるB型肝炎ウイルスを原因ウイルスとして発症する病気で、非常に強い感染力を持っています。
7割~8割の人は症状がでないため不顕性感染と呼ばれますが、発症した場合は非常に強い症状が現れます。
B型肝炎で命を落とす場合も
基本的には、体のだるさ(倦怠感)、風邪に似た症状(食欲不振、発熱、吐き気)、尿の変色(赤褐色尿)、黄疸(白目の部分が黄色くなる)などの症状が出ますが、1~2%の確率で劇症肝炎と言われる重度の症状を発症します。
劇症肝炎の中でも、11日以降に脳症が発生した場合は亜急性型と呼ばれる状態となり、救命率10%前後の非常に危険な状況に陥ってしまいます。
B型肝炎の感染者は3億人以上
日本では150万人以上がB型肝炎に感染していると言われており、世界で見ると3億5,000万人が感染していると言われています。
C型肝炎
C型肝炎ウイルス(HCV)を原因菌として発症する病気ですが、感染しても3割~4割の人は自覚症状が出ないまま、体内の免疫期間によってウイルスが排除されます。
発症する場合は2~3ヶ月の潜伏期間を要し、発症すると体のだるさ(倦怠感)、風邪に似た症状(食欲不振、発熱、吐き気)、黄疸(白目の部分が黄色くなる)などの症状が現れます。
肝臓ガンによる死者の7割がC型肝炎に関係
C型肝炎の特徴として持続感染が挙げられ、5~10年経つと肝臓癌や肝硬変につながります。
感染者は2億人前後
C型肝炎の感染者は世界中で1億7000万人以上と言われており、日本国内にも200万人以上の感染者がいると言われています。
感染力が非常に強く、血液製剤やタトゥーの針などでの血液感染で大量感染した事例もあります。
刺青(タトゥー)での性感染症を防ぐ予防・対策方法
正しい知識・衛生管理を徹底している人を選ぶ
刺青による性感染症は、針の使い回しがほとんどの理由となります。
彫ってもらう場所・彫師を選ぶ際にも、衛生管理や針の管理についてもきちんと確認するのが良いでしょう。
素人やよく知らない人には頼まない
たとえ安価であっても、最低限プロに頼むことが望ましいです。
素人の場合は特に使い回しの可能性が高く、よりリスクの高いものとなってしまいます。
刺青(タトゥー)での性感染症の検査
タトゥーを入れたけれども感染症が心配・・・といった方には、下記の検査キットがオススメです。
今回紹介したHIV、B型肝炎、C型肝炎などをまとめて検査できます。
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